アクティブな人見知り

いろんな所に凸したレポート

好きな人と一緒にいたいだけ

電通調べによると5.2%がLGBT
渋谷区の同性パートナーシップ条例の話とか、パレードへようこその後にあったシンポジウムの内容を少し紹介。
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明治学院大学にカラフルってLGBTLGBTフレンドに向けたサークルの代表とか東京レインボープライドの共同代表とかが今回のシンポジウムメンバー。
司会は日本初のゲイをカミングアウトして当選した前豊島区区議会議員の石川大我氏。

今回の映画はサッチャー政権。サッチャー首相は11年という長い期間イギリスの首相をやって、一昨年亡くなっています。
80年代全てサッチャー政権です。
時期的には1973年のオイルショックによって、不景気なのにインフレするっていうふざけた時代です。
その対策に労働組合の権利減らしたり、累進課税を消費税に切り替えて富裕層の金額をそのまま投資にしようとしたと、この辺はウィキペディアでも読んで下さい(笑)
LGBTに厳しい時代だけど、サッチャー自身がLGBTに厳しかったかっていうと諸説あるみたい。1960年代は同性愛自体が性犯罪だった時代ですしね。
それからちょっと時間が進んだ時期の抑圧と偏見が手を組んだ映画が今回の映画です。

プライドパレードの共同代表の杉山文野氏。性同一性障害FtMトランスジェンダーです。
LGBTという言葉が浸透する前、パレードはゲイ、レズビアンがやっていることで、性同一性障害の自身としてはあまり気にかけていなかったとの事。

それに対して、時代が進んだなぁと感じたのは、

特定非営利活動法人ReBit副代表理事の谷隼人氏。1990年生まれ。20歳の頃にはパレードやってた。楽しい場所=パレードだったから今回の映画は歴史を学べた。

で、映画は1984〜85年。86年〜87年に実際にイギリスにいて、当時を知る小川チガ氏。
その時代、移民だらけ。働き者の外国人にイギリス人の職が奪われサッチャーの文句をいう、そんな時代だったようです。と同時に若者も普通に政治の話をするなど、そういう環境でもあったと。
そんな時代に小川氏が印象的だったのは、バイト先の70代のお爺さんに普通に、

『ボーイフレンドがいるのか?それともガールフレンドがいるのか?』

と、聞かれた事。と。

これは驚きですね、30年近く前に。現代の日本でバイトしてても2丁目ならまだしも、まずありえないでしょう…イギリス、マジ未来。

さて、明治学院大学のカラフルについての説明。
2013年設立に設立。現在メンバー9人で活動中。
これはあくまで代表の倉光ちひろ氏とカラフルメンバーでの話ですが、今の実態について。

『生き辛さはLGBTの言葉が普及しても正直あります。トイレ、健康診断等。恋愛トークも女性で彼女がいても彼氏に変更して話していたり。』

今はどこの大学でもひとつのLGBTサークルがあるそうです。当事者と話さないとどこで困ってるかは想像とは違う等、当事者ではなく支援者も一緒に活動しているみたいです。



ここからパレード事情について。

日本では1994年8月に初開催されます。
その少し前に府中青年の家事件という事件があり、その辺が大きなきっかけになっているようです。知りたい人はググって下さい。
1990年代にゲイブームと呼べる時期があったようで、1994年に同窓会という日本テレビのドラマでゲイをテーマに扱った等、少し時代が動き始めたようです。
で、パレードですが、毎年あったわけではなく、色々色々あって主催団体が変わったり、やらない時期があったりと現代に続いています。
今の形になったのは2012年。
2014年には2つの組織でやっていたものをひとつにしています。

パレードを盛り上げるにはどうしたらいいのか?パレード単体よりフェスティバル期間にした方が良いんじゃないか?そうなった時に代表に推薦された杉山氏。

今まではゲイが先陣切ってきた。LGBTとはいえ男性社会だったので、トランスジェンダーである自身がトップでサポートにL&Gがいた方が良いんじゃないのかと言われてましたが、勿論トランスジェンダーが理由で代表になったわけではないですね(笑)

関谷氏の話。
ReBiといえば、LGBT成人式で有名な団体ですが、2014年に小学校に出前授業に行っています。その時の話。

性の話は小学生には早くないか?そういう話もありますが、関西弁のゲイの講師を連れて行った時、講師が4人の芸能人の写真(♂2・♀2)を紹介してこの中で僕が結婚したいくらい好きな人は誰でしょう?と質問したら、この人!と関西出身の男性を指します。
何で?この人男性だよ?の関谷氏の質問に、

『関西弁だから‼︎』

子供って凄いな。異性愛批判の少ない内に当事者が話すっていうのは大事だなと。

関谷氏の就活の話に。
FtMとしてレディースを着て就活するのは別に気にならないとは言いつつも、女性として就職するとその後の生き方も女性に限定されてしまうんじゃないかと。
それならとメンズスーツとレディーススーツ、両方で就活されたそうです。性同一障害と伝えたり、何も伝えなかったり。もちろん大変だったそうです。

選択肢が減らない社会になればとおっしゃってました。スーツ文化が必要なのかも個人的に疑問だったりしますが、今の日本ではまだ厳しい所があります。LGBT向けの就職セミナー等、外資の会社ではいくつか始まったようですが。

セクシャリティにそれと言った正論はなく、1990年代にはアウティングという行為が流行ったり。カミングアウトした人が他のLGBTの人を勝手にカミングアウトして人を巻き込んだり。



さて話を現代に。
渋谷区の同性パートナーシップ条例が審議中の件について。
世論調査では賛成44%反対39%と、最初の世論調査としてはかなりいい数字です。

平成24年、渋谷区議会議員の長谷部健氏がこの提案をスタートします。
長谷部氏はNPO法人、グリーンバードの代表でもあります。簡単に説明すると

『きれいな街は、人の心もきれいにする。』

をコンセプトにするゴミ拾いのボランティア団体です。

『へー、お前みたいなのいるんだな。』

杉山氏と長谷部氏が出会った頃の話です。
杉山氏が10年前、本を出版した時、私もそうでした。等の反響メールが全国から殺到します。それにとても対応出来る数ではなかった杉山氏がブログに定期的にグリーンバードで、この日活動してます。ここに来たら会えますと。
一時期お掃除チームがLGBTだらけに。

『こんなにいるのか。』
『普通なのにこんなに困ってるのか。』

長谷部氏はここで提案します。

『パートナー証明書出来たらどーよ?』

杉山氏は

『出来るんですかね、出来たら嬉しいですけど。』

そして動きだします。検討委員会は年配の方々。

『こんな普通なのか、どこにでもいる人がこんなに困ってるのか。』

水商売やテレビのバラエティーの人のようにどこか遠くの人ではなく身近な人に。
慣れって大事です、ここから現在の同性パートナーシップ法案まで辿りつきました。

それがあることによってどうなるのか?
入院、手術、証明書、遺産等、未来を描けるようになったと。

それに対して不安もあると。
あまり使われないとせっかく作った制度と注ぎ込んだ予算が役に立たなかったんじゃないかと。

そうならないように広める事が大事だと。渋谷区の不動産会社はLGBT向けの物件を用意するという動きも出始めました。

しかし現在の日本では問題の大きさとして、

『女性、障害者問題>LGBT

声が上がらなければ使えない。いない事にされる。
豊島区や世田谷区、横浜市等、声を上げる所が増えているので、時間はかかるでしょうが広まる可能性が出てきています。

同性パートナーシップ条例で一見、戸籍を変更出来るトランスジェンダーは関係ないようにも見えます。
ですが、戸籍上は女子同士、見た目は異性愛。そういった時に戸籍を変更しなくても大丈夫になります。

戸籍を変更する条件のひとつに生殖器を取り除いてることが含まれます。
 生殖器を切ると好きな人といれる権利を得れる。
逆に言えば生殖器を取ってようやく権利だけが手に入る。
凄いリスクです。海外では手術していることという枠はなくなりつつありますが、日本ではすぐに変更しないでしょう。
そうなると戸籍を変更する必要がない同性パートナーシップ法案を進める方が現実的でもあります。




憲法第24条に

『婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。』

とあります。「両性の合意のみ」、これは日本国憲法が出来る前の戸主を指し、つまり本人同士という意味で男性、女性の事ではありません。
日本国憲法が同性愛を想定していないんじゃないか?確かに出来た当時に想定はしてないでしょう。
しかし、時代の変化によって解釈は変わります。

憲法第12条に

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。』

ここにLGBTも当てはまるわけです。

日本国憲法は名文で禁止してるものは時代が変わってもダメです。
戦争や武器保有等。

ですが、日本国憲法では同性婚が禁止とは書いてありません。そもそも日本では同性愛が犯罪だった時代がないんです。



まとめです。このシンポジウムの最後、5年後に望む事。

いくつか箇条書きにします。

『選択肢が減らない社会。フラットに選びたいものが選べる社会。』

『5年じゃ変わらないんじゃないかとも思う。でも同性パートナーシップ法案は出来ていて欲しい。』

『特別視されない世界。ニュースとかでも流れないような。』

『好きな人と一緒にいたいだけなのがこれだけ話題になるのがおかしい。そういえばパレードやってたよね。って言える時代。』

『オリンピックがある年には10万人パレードに。同性婚まではいかなくても同性パートナーシップ法案が出来て、制度が出来た後のマイノリティーのフォローが出来る時代に。制度があっても差別のある国が現にあるから。』

『イアンソープのようにアスリートのカミングアウトが普通に。オリンピックでアスリートが同性同士でキスしてテレビで流れても当たり前に。』

『当事者と普通の人が交わる社会。』

『最終的には連帯する社会。なんらかの形でマジョリティはマイノリティーでもあるから、少数派が苦しんでるときにその立場になれるか、他のマイノリティーの気持ちを理解できるか。そういう事が出来る時代。』

みんなそれぞれ未来がどうなって欲しいかには差があります、あって当たり前です。

ただ、手と手を繋ぐ事の出来る時代にしたいって気持ちは同じようです。
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いくつかこのブログに書いた団体の紹介です。

東京レインボープライド


グリーンバード

明治学院大学セクシャリティサークル''カラフル''