フィクションの中のノンフィクション
皆さん、写真絵本はご存知ですか?
写真?絵本?
どっちだよ‼︎ってツッコミ入れたくなりますね。
今回そんな写真絵本の出版記念トークショーに凸してきたよ。
HASEO
このブログの事は忘れてもこの名前は覚えて帰って下さい。
闇王の写真絵本。
中二病感満載のタイトル。
今日、凸する予定無かったんですよ。
で、気が付いたらトークショー会場にいましたね、愛ゆえに。
圧倒的なやり過ぎ感が好きなのです。
HASEO氏の写真は僕の中の日本人カメラマン二大巨頭でして。
ひとりは村田兼一氏。
捕まって欲しい。
って思いながらも村田氏の展示は毎回行きますね、愛ゆえに。
そして、HASEO氏。
過去に村田氏の個展にHASEO氏が来た時は勝手にガクブルしてましたね。
さて、それはさて置き、会場へ。
座った位置が左隅で正面にはこの写真。
後にこの写真の事実に泣かされます。
今回のトークショーは珍しく写真の講座等ではなく、作品の解説。
童話を元にストーリーを作る。
その中身。
ヴァンパイア。
皆さん、ヴァンパイアって言ったら何を想像しますか?
そう、血ですよね。
しかし、HASEO氏のポリシーに、全て美しく、グロい物は使わないという縛りがありまして、こちらのストーリー、好きな人に愛されると永遠の命が手に入るというオリジナルのストーリー展開になっています。
で、写真の方も絵本ではいくつかありまして、ヒアルロン酸を注入したような若い肌から老婆のように老いを経て装いもボロボロに。
これ、元ネタはヴァンパイアじゃないですか。
更なる元ネタ、ぶっちゃけ人間の女性です。
愛がなくなって関係が悪くなっていくっていうHASEO氏が実際に見た体験を元にストーリーを作っています。
…おい、絵本的ファンシー要素どこ行った?
リアル過ぎるだろ。
さて、気を取り直して次に。
白雪の騎士。
女王の前で、旦那、子供を殺され、復讐の為に悪魔と契約する。
復讐するまで死なない身体に。
そしていざ復讐しようとすると他人に復讐するべき相手を殺され、永遠に魔法が解けない。
死ねずに、復讐も出来ずにずーっと永遠に生きる。
これの元ネタは復讐しようとした相手が交通事故で亡くなるというとある復讐に燃えた家族の実話を元に。
重いわ。
この絵本のストーリー、フィクションだけど、ノンフィクションじゃねーか。
さて、続きまして。
赤ずきんぎょ。
HASEO氏は毎年、赤ずきんをテーマにした作品を作ってまして。
HASEO氏には珍しくヴィジュアル先行で作られた作品。
トークショーの解説で、モデルさんには悪いけど、モデルは写真のパーツのように扱います。
という話が出まして、理由が、カメラマンが有名なのは誰々を撮ったカメラマンだから有名っていうのがありまして、それで有名なのはそのタレントさんの力もあってなので、それは本当に実力なのか。
だからモデルは直前で決めるし、撮ってダメだったら当日でも別のモデルを使う。
ヒロインが変わっても映画の素晴らしさは変わらない、そういう物を狙っていると。
聴いてて、ぶっちゃけ意外でした、HASEO氏のモデルって美人多いから。
頭蓋骨理論でどうにでも撮れるんでしょうが。
さて、話戻すとこのネタ、アートアクアリウムが元ネタにあって。
マネーの匂いがするようになった今のアートアクアリウムより良いの作れるってやったのが、この作品。
さて、ここで問題。
男性カメラマンに足りない物はなんでしょう?
色彩?
そうですね、カメラマンは重鎮になるとモノクロ写真しか撮らなくなりますね。
おっと、これはオフレコだった。
正解はファッション。
端折りますけど、これはわかる。
ファッション畑の人間から見たらこの娘、ベース良いのにクソダサいって事はあるあるですしね。
ましてフツーのおっさんが女性のお洒落わかるわけないと思うんですよ。
HASEO氏のアドバイスは雑誌そのままコピーしろっていう根も葉もないけどとても正しいアドバイスでしたね。
赤ずきんぎょの衣装、10回以上作り直してる。
デザインする側からしたら、恐らく刺したいクライアントだと思いますね、それくらいHASEO氏徹底した拘り。
愛の詩。
個人的に一番好きなシリーズ。
好きな人が亡くなって、埋めてっていう感じのお話。
亡くなってなお、狂ったようにピアノを弾き続ける。
愛って基本的に狂う行為だと勝手な解釈があります、あくまで個人的に。
そしてこの作品作り、いいねー実に狂ってる。
前乗りして、写真で撮りたい月が真上に来るタイミングまで粘った後に、翌日の真夜中にピアノセッティングして撮影するっていう拘り。
ラストのひとつ前の解説。
シンデレラ。
僕、シンデレラには思い入れがとてもありまして。
ぶっちゃけ僕のやりたい事ってある意味でHASEO氏と被ってる部分が大きいんですよね。
女の子を綺麗にしたいっていう。
その辺は別のエントリーでやるとして、シンデレラの話なら丸1日語れる。
そんなヘビーな思い入れがあります。
さておき、このシンデレラの元ネタ。
これHASEOストーリーなんですわ。
自分を信じるっていう。
だって、この物語、12時に解ける魔法なんていらね、その代わり2年後に自力で舞踏会来て王子ゲットするわっていう、いいぞ、この時代感。
もっとやれ。
っていう非常に共感出来るストーリーになってまして。
名古屋から東京に進出出来たのは自分を信じてやってきた結果だというHASEO氏のひとつの節目の作品でした。
さて、長くなったから後編へ続きます。