美しい世界
さて、皆さん、ハンカチの準備は出来ましたか?
HASEO氏トークショーラスト。
美しい世界。
振り返る事、7〜8年前。
HASEO氏が金色のベンツに乗っていた頃まで話が遡ります。
もう、その頃のHASEO氏、パリピの中のパリピ、もしくはそれ以上の何かって感じの成金でして。
で、そんなアートなパリピ集団で当時作っていた作品集、BIVLE.
サークルのノリでやっていた活動。
小さな頃からなりたかったカメラマンにいざなっても他の事業で上手くいき、片手間でやっていたと。
その中でもクリエーターを集め、造花を使い、CGを使いその当時に撮影した作品、それが美しい世界。
悲しい物語はそこの打ち上げから始まります。
HASEO氏と奥様と新婚のヘアメイクと焼肉食べて次も撮りましょう、そんな約束をしていた矢先。
その約束は叶う事がありませんでした。
4日後、ヘアメイクの方は息を引き取りました。
日本でも指折りの珍しい病気、内臓が腐るという病気で彼女は亡くなりました。
病室で旦那様を前に言った最後の言葉は愛してるでもありがとうでもなく、
「HASEOさんと作品を撮れて良かった。」
その言葉を言ってすぐ、息を引き取ったと。
その言葉を聞いた夜、HASEO氏はゴルフクラブをへし折り、ヨットの免許を破り捨て、ベンツの鍵を奥様に渡し、酒が飲めなくなってもいいから作品撮りを続けさせてくれ。
そう言ったそうです。
はっきり言ってもっと良い物が撮れた、手を抜いてた、なのに何故、最後の言葉が一緒に作品を撮れて良かったなんだと。
そこからHASEO氏の作品に対する姿勢が変わります。
CGも造花も使わず、本物の美しさを。
そこから今までの笑顔や笑い声から厳しさや罵声が出るようにも。
この撮影、トラック2台分の生花を使い、夜中の2時にセットを組むというスケール。
スタッフに大事な撮影とだけ伝えて、それでもスタッフが流石に付いて来れなかったレベル。
それでもHASEO氏は薔薇の棘で血塗れになりながらも作業を続け、それを見たスタッフが信じて付いて来てくれたと。
この美しい世界、これはHASEO氏がイメージするヘアメイクさんがいる天国です。
これを撮るのに7〜8年も掛かった、遅過ぎたけどようやく撮れた。
そう言って旦那様とふたりでこれを報告した時はずっと泣いていたと。
そう語ったHASEO氏も語りながら泣いていました。
人は必ずいつか死ぬ。
今日かもしれないし、もっと先かもしれない。
それでもその時に全力を尽くした作品があれば後悔しなくて済む。
そういう事を学ばされたトークショーでした。
もしくは知ってるのに忘れていただけの。
生きてる時間は一瞬です。
一期一会。
という訳で今回しんみりしましたが、凸したレポートを書き終えました。
うん、なんたって会場で話しかけれなかったしね。
ある種のラブレターみたいなもんです、今回のレポ。
是非、これを読んで気になった方は展示に凸してみて下さい。
HASEO写真展『美しい写真絵本の世界』
http://www.yaesu-book.co.jp/events/fair/12760/
〜2017年10月11日