アクティブな人見知り

いろんな所に凸したレポート

まぼろしの夜明け

皆さん、人はどこまで踊れると思いますか?

今回川村美希子公演、まぼろしの夜明けに凸してきたよ。
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今回って書いたけど、昨年の出来事ですね。



さて、それはさて置き、川村美希子氏。

個人的に数年前から追っててとても面白いダンサー。

国内の若手ではトップじゃないかと勝手に思ってます。

で、そんな彼女が人はどこまで踊れるかという事で行う公演。

とても期待してました。

以下ネタバレ含みます。



まず、ステージが中央にあり、それをスタンディングで観るという形式。

既にダンサーは伏せた状態でいます。

この時点で全力で踊ったらステージから落ちなくても、人にぶつかるんじゃないかくらいには思ってました。

が、しかし、ですよ。

オープニングがいつかのコールもなく、会場に音楽が流れ出します。

踊らない。

5分、10分経とうと踊らない。

…会場にビミョーな空気が流れ出します。

しかし踊らない。

もうね、若干嫌な気はしました。

もしかして、このまま踊らないんじゃないかと。

衣装も繭のようなデザインをしてて。

照明と音楽はいつもの川村氏の世界観そのまま。

しかし、踊らない。

日本人って我慢強いんだなと。

だって誰もキレないし、出て行かない。

何かが起こる事を期待してた、というかちょっとくらい踊るんじゃないのかと。

確かに動いてはいます。

手足が微妙に。

ほんの少しずつ。

本当にちょっとだけ。

最終的にはダンサーがゆっくり、ゆっくりですが、立ち上がる。

そして出口が開きます。

…誰も何も言わない。

めちゃくちゃシュール。

何をもって、ダンスなのか?

そう考える。

川村氏のタイミング的にもこの実験の様なダンスをやるベストな時期だったんだと思います。



だけど、ジョン・ケージ氏のピアノを全く引かない音楽、4分33秒、リトゥン・アフター・ワーズの山縣氏の服を出さないファッションショーと同じ香りがして。

率直な感想としては新しさがなかった。

公演が終わって出た時にはタイトルの意味の様な世界観を感じずにはいられませんでしたが。



この次の公演がどうなるかが別れ目だと思わせる様な、そういう公演でした。



まぼろしの夜明け