ジャーナリストが見たシリアの現実
シリア 若者たちが求め続けたふるさとの後のトークイベントに凸してきたよ。
…書くの遅いって?
仕方ない(笑)
しかし内容は笑えないガチなやつだよ。
主催はCATiCというNPO法人。
カンボジアに映画館を作ろうというコンセプトで活動されてます。
詳しくはこちら。
CATiC
シリアとどう関係あるのかとかいうツッコミは一旦置いて進みます。
現地をよく知るフォトジャーナリスト、川畑嘉文氏のトークショー。
川…
まず、何故シリアに興味があったんですか?
来た方は友達にシリアにいる、誘われて、などバラバラ。
留学生には身近に感じる方が居ても日本人にはあまり身近に感じている人がいないっていうのが場の空気感だったと思います。
川…
じゃ映画を見た方は実際にシリアで起きているのがどういう事かねぇ、わかったと思うんですね。
実際、僕がお見せしたいのは、あれはね、やっぱり実際、戦場で起きている事じゃないですか。
その裏側、どういう風な人達がいるんだろうって逆に見てもらいたいなって事で。
シリア難民がね、今ニュースでもよく出てますよね、どのくらいいるか知ってます?
一番新しい情報だと400万人って言われてるんですね。
実際、シリアの全人口が2011年の時点で2000万人だったんですよ。
難民として外に出てるのが400万人。
国内避難民って括りの人達もいるんですね。
国内で避難生活を送っている方。
その方々が600万人とか言われてるんですね。
という事は人工の半分は難民生活してる訳ですよ、それ考えてみると彼らって普通に暮らしてたんですね、シリア行かれた方、昔でもいいんで行った事ある方いますか?
実はね、シリアってこの中東エリアで意外と発展、経済的に発展していた国で、豊かだったんですよね。
にも関わらず突然戦争が始まってしまって、混乱が起きてると。
例えば日本で我々が今普通に暮らしていると。
しかし、今じゃあね、安保法制で安倍さんを叩こうとデモが起きてますよね、それがどんどんどんどん拡大して内戦が始まってしまったっていう状況で明日から行く場所がなくなってしまうんです私達。
今日大体20名ぐらいいますよね、半分の方が家失って行く場所がなくなってしまったってそういう状況が今、今日観てきてもらった状況がシリアで起きているんですが、じゃあ、どういう暮らしをしているか?
今私が取材しているのはトルコ側に逃れて来たシリア難民。
トルコの難民っていうのは170万人。
じゃあ難民キャンプに暮らしているかって言ったら、殆どの人が外で暮らしているんですよ、難民キャンプに暮らさないで。
しかも増えてない(難民キャンプに暮らす人)じゃないですか、難民キャンプの数も殆ど増えてないんですね、そこら辺の政治的な事は後で。
ちょっと皆さんに質問したいんですけど、難民と聞くとどういう風な生活か、どういう人々をイメージします?
出た来場者の回答。
・貧しい。
・廃墟みたいな所に住んでる。
川…
ケニア、ダダーブキャンプ、ここが世界最大の難民キャンプ、ソマリア難民が逃れてきた難民キャンプで、50万人暮らしてるんですけど、ここが世界最大の難民キャンプって言われていて、一般的に日本人が難民って聞くと、こういう感じですよね、イメージするんですけど。
シリア難民に至って言うとちょっと違うんですよ。
どんな場所なのか、地理的にね。
私トルコ側にいます。
これシリアの街なんですけど、これ歩いて行けますよね?
めっちゃ近いんですよ、シリアって。
シリアって実はトルコから見るとホント、歩いて行ける、歩いて行けるって陸続きですからね。
日本みたいに海がないんで、近い存在なんですね。
一方、つい此間、戦場になっていたコバニって町なんですけど、結構ボロボロ、崩壊してる街なんですけど、こういうのも見れると。
これはトルコ側、トルコ軍の部隊ですね、戦車とか。
迫撃砲が爆発したり、もう目の前で見えるんですよ、戦争が行われてるのが。
ここの丘に立っていると、自動小銃の音、タタタタタン、タタタタタンっていう音とか、バーンっていう爆発音が普通に身近で感じられる。
普通に揺れる、ドーンって。
向こうがシリアで、こっちがトルコなんですけど、マインって書かれてて、地雷ですね。
地雷が埋まってるんですね、だから一応行き来出来ないようになっている。
つい先日ね、トルコが攻撃しましたよね、ニュースになってましたよね、実はずっと前からトルコはいつでも戦闘に入れる状況を作ってたんですね。
何かあるといつでも向こう側に撃てるようになってるんですよ。
そういう状況だったのでいつか、戦争始まるなって思ってましたよね。
これがトルコ側の国境のフェンスで、自由シリア軍が普通にいるんですよ、自動小銃持った。
この自由シリア軍が戦闘員って言っていいのか、ただの若者って言っていいのかわからないんですけど、今日見た映画は非常に自分達の何て言うの、この理想を守るっていう意識高い方々が主役で、ドキュメンタリー映画って当たり前ですよね。
この自由シリア軍の兵隊が僕がこうやってカメラ向けたんですよ、そしたらこの自動小銃ね、このお兄ちゃんが持ってたんですよ、最初。
おお、カメラ向けてるよ、オレ持つからよこせって言ってこの自動小銃をこいつから奪ったんですね、っていう普通の青年達なんですよ、実は。
が、反政府組織、自由シリア軍として戦ってる、普通の青年達ですね。
さっき私が言ったように半分が家を失いました、男性の方が普通に自動小銃持って戦ってるっていう状況なんですよ、映画も。
今まで普通の青年だったんですよ、彼ら、自動小銃持ってなんの訓練も受けてないで戦ってる。
これ異常ですよね?
そういう状況が今日ドキュメンタリーとして映されてたんです。
これはトルコ側の国境の街ですね、こういう風に怪我した自由シリア軍の戦闘員達が普通に運ばれて来てトルコ側のクリニックで治療を受けて治ったらまた戦闘に行っているんです。
こういう風に普通に出会う事が出来ます。
国境に行くと。
わたトルコ側で、これはテルアビヤドっていう街なんですけど、こういう風に難民の人達がどんどんどんどん流出してきているのが普通に肉眼で見て取れるんですよ、それぐらい頻繁に出て来ている、難民として、逃れて来てる。
ただこのアクチャカレって場所ね、ISの支配下に落ちているのでこういう風に撮影するのちょっと難しいかもしれません。
今ここに行くと普通にISの戦闘員達、見れるんですよ、写真とか普通に撮れるんです。
ISって一切触れる事出来ない人達なのかなってイメージがあるじゃないですか、ここが後藤健二さん亡くなりましたね、このアクチャカレの近くまで連れて来られていたんですよ、ここで解放の交渉を行うはずだったんですよ。
それが出来なかったんですね、失敗しちゃって。
それでここから連れていかれて殺害されてしまったんですけども。
もう一個アクチャカレ場所についてなんですけど、アクチャカレって意味とテルアビヤドって意味、実は同じ意味なんですね。
白い丘だか、白い城だか。
じゃ何故同じ名前なのか?
元々この地域ってオスマン帝国の支配下、オスマン帝国の領土だったんですよ、それを二次戦が終わっていつの間にかイギリスや欧米が勝手に線を引いて国を作っていったんですね。
トルコに勝手に線を引いてしまった、同じ街なのに。
だから片方はシリアに入ったのでアラビア語、もう片方はトルコ語で言うようになってしまった。
だから親戚が住んでるんですね、この街に。
実は意外に自由に行き来してたんです。
だからそんなにこの写真で難民が行き来してるんだよって僕が来る前に普通にこういう光景があったのかなって。
一方で、このキリスの国境ですね、これは正規の国境を抜けて難民として出て来た人達です。
このバスに乗って何処かに行くかって言うと彼らはシリアに行きます、それは何故かっていうと、トルコに逃れて来たものの、生活の水準が違います。
なので、アパートを借りるにも高くて借りられない。
普通に暮らすにも物価が高くて生活が出来ない。
戦場にも関わらず、帰って行かなければならない難民の方々もたくさんいるんです。
それで、彼らに、このおばさんにお話を聞いたんですけど、怖くないのかと、だって戦場でしょ?
「でも仕方ないじゃない。」
って言うんですよ、だって暮らせない。
自分達の子供もいるけど、危険も承知だけど帰るしかないって方がたくさんいるんです。
さっき難民の数が170万人って言ったんですけど、トルコ、あの数字も凄く流動的で、実際わかんないんですよね、だって行き来してる。
だからさっき見せた数字は少ないかもしれないし、もっと多いかもしれない。
キリスっていう場所にある難民キャンプです。
さっきお見せしたアフリカの難民キャンプと大違いですよね、凄いんですよ、これ、コンテナハウス。
もしかしたら例えが悪いかもしれないですけど、東北の仮設場のような感じです、中。
ただすっごい暑いんですけどね。
水もあるし、このキャンプの中、ケバブ屋さんがあるんですよ。
キャンプの外に普通に出て買ってきて自分達でこういう風に売る事も出来し、スーパーマーケットもあります。
凄くないですか?
このスーパーマーケットの仕組みがまた凄くて、トルコ政府がSuicaみたいなやつがあるんですけど、例えば月に100ドル入れてくれてるんですね。
カシャってやると普通に買い物が出来る。
凄くないですか?
ただ、一方でちょっと違うキャンプもあるというか。
何故このキャンプがこれだけ凄いか?
理由が一番最初に出来たキャンプなんですよ。
トルコ政府が必死でおもてなしをしてあげたんですね。
それは何故かっていうと、じゃあちょっとトルコの状況を見るとわかるんですけど、トルコ政府としては難民がたくさんね、逃れて来ているにも関わらず、放って置くわけにはいかない、世界中から批難されます。
あと、もうひとつはトルコ政府はずーっとEUに入りたいんですよ、でしょ?
だから国際的にこんなに私達は協力してますよってアピールしたいんですね、アンジェリーナジョリー2回行ってますから、ここに必ず連れて行きます、見せるんです。
モデルケースですね、そういう裏の背景もあるんですけど。
今日見てきた映画は凄くシンプルなんですよ、ストーリーが。
だってアサド対反アサドっていう仕組み。
わかりやすいですよね、それって。
あれは初期の話なんですね、ISとかがいなかったんですよ、まだ。
ISって台頭したのが去年の夏ですからね、だからあんなシンプルな形で映画が作れたんですよね。
でもね、今凄くたくさんグループがいて。
クルド人の勢力があったり、クルド人っていうのはあの地域に住む民族、凄くたくさん人口が多いんですけど、国を持ってないんですね、なのでイラクの北部やら、シリアの北部やらトルコに住んでいるんです。
クルド勢力やらISやら反政府勢力、アルカイダ系のグループとかもあるんですよ。
とにかく色んなグループが戦っている、内戦なんですよね。
だから今はあんなような状況ではありません。
最近アサドが発表したんですよ、物資が全く足りないって、オレ達ちょっとヤバいぞって。
それはISもアサドを倒そうとしてますし、他のグループもアサドを倒そうとしている。
これがね、簡単に言うと最近出来たキャンプです、さっきのキャンプとは全く違いますよね。
ISから逃れて来た人達です。
クルド人なんですが、ヤジディー教徒。
ヤジディー教徒っていうのはクルド人の一部分、ホント一部分の人達の進行しているグループなんですけど。
イスラム教でも全くないんですね。
恐らくゾロアスター教、それにちょっと近い、自然の何かを崇める、太陽とかね、輪廻転生を信じています。
イスラムはね、ないですからね、輪廻転生。
なんと、ヤジディー教徒の人達はクルド人の一番最初のグループの人達だと言われていて、凄く大切にしているんです。
彼らは大切な存在なんです、彼らがいなくなってしまったら、起源がなくなっちゃう。
でも迫害を受けているわけですね、ISから。
全く信仰が違う。
去年の夏ぐらいに大虐殺があったんです。
その対象となったのが、このヤジディー教徒の人達、イラク側で。
今よく奴隷制を復活させたって言ってるでしょ、ISが。
あれの対象となっているのもヤジディー教徒の人達なんです。
だからたくさん逃げて来てますよね。
ちなみにアラウィー派って言うのもシーア派の分派って言われているんですけども、アサド政権はアラウィー派なんです。
だからアラウィー派っていうのも何とイスラム教徒なんだけど、輪廻転生を信じてます。
あり得なくないですか?
なので、シリアのホント一部の少数グループがシリアを今まで統治してたんですよね。
で、シリアって実は多くがスンニー派なんです。
なので、納得がいかないわけですよ。
反政府の人々が。
何でオレらが、お前達の言う事聞かなければならないのか。
ので、不満が凄くたくさんあった。
秘密警察っていうのも凄くたくさんあるんです。
シリアの中は。
なので、政治的な話をして、何も危険分子でも何でもないのに、逮捕されて3年間牢屋に入れられたって若い人々も凄くたくさんいて、そういう不満が凄く溜まってたんですね、それであの見た映画に繋がってくるわけです。
このキャンプの中がどういう状況かって言うと、ここからこっちがひとつの家族で、こっちからこっちが別の家族が暮らしているんですね。
この部屋(トークショー会場)より小さいですよ、この空間。
その中に家族が暮らしてるってあり得なくないですか?
これもそうですね、全く整地もされてないドロドロ、このキャンプなんてホント新しいキャンプのひとつなんで、一応水はあるんですけど、お湯もなければ、トイレもきちんとしてない、クリニックもない。
そういう劣悪な環境。
トルコの南部ってすっごい寒いんですよ、冬場。
なので最近ようやくストーブを日本のNGOが配ったっていう話。
この子、見えるかもしれないですけど、裸足なんですね。
なのでISがコバニって町を攻めて急いで逃げてくるしかなかった、服すら、着替える服すら持ってない人々が凄くたくさんいて、このキャンプは。
これさっきのヤジディー教徒の人々の暮らすキャンプ。
トルコ政府がほとんど支援してないんです。
また政治的な話なんですけど、クルド人をトルコ政府は、あまり支援したくないんです。
それは何故かって言うと、クルド勢力っていうのが実はあの地域にたくさんいてですね、自分達が立ち上がって、自分達の国を持ちたいって思ってる人々がたくさんいるんです。
なので今まで何度も何度もテロ行為をトルコ国内で起こしているんです。
で、何とアメリカはイスラム国を叩くために、このクルド勢力に武器を渡しているんですね、今。
それに対してトルコ政府も正直、良くは思ってないです。
で、アメリカは、このクルド勢力に対してテログループであるっていう風に名指しで批難しているんです。
にも関わらず今、武器を供与しているっていう矛盾が生じちゃってる。
でも実際、クルドの人々は僕が知ってる限りでは凄く良い人々がたくさんいて、当たり前ですけど。
みんながみんなね、戦いたい人なんていないですよね、当たり前ですけど。
なので、トルコ政府もあまり支援をしないんです。
で、こういう状況ですね、この人もクルドの人でISから逃れて来たんですけど、こういう風にブロック積んだだけってって場所も多いです。
これもそうですね、テント立ててます、自分で、こういう荒野に。
周りに何にもないんですよ、だから食料とかどうしてるんだって、どうします、皆さん、周りに何にもなかったら。
燃料もないから、こういう風に木切ってたらしいんですよ、最初の方はね、トルコの方もね、まぁ仕方ないかって思ってたんですけど、どんどんどんどん伐採しちゃうんで、そのうち木がなくなってきちゃいますよね、そしたら勘弁してくれっていう事で買わざるを得ない、燃料すら。
じゃ食料はどうしてるかって、トルコの人々に支援してもらってる。
近隣の人々、これ食べて下さいってそういう風に生きてる。
お金ないんで、彼らは。
自分達のタライ持って洗濯したり、料理したりっていう状況です。
こういう方々がホントに多いです。
トルコ、スルチ南部、国境の側で暮らす方で、下にゴザ敷いて家族で暮らしてるんです。
冬なんか寒いんです、ねぇ、この家族みんな病気らしいんです。
それが一体どうしてかって言ったら凄く親切なトルコ人に肉を貰ったんです、じゃあ調理します、食べたところ、病気になってしまった。
何故か、燃料が限られてるから、きちんと火を通せないんですよ。
なので恐らく食中毒になっちゃったんじゃないかなって。
病院に一応親切なトルコ人に連れて行ってもらって一回だけクリニックで薬貰ったんだけど、それ以来ずっと下痢が続いている、子供達が、そういう状況。
これなんかそうですけど、周りにテントって言っていいのかもわかんないですよね。
そういう人々がホントたくさんいる。
これもそうですね、学校、古い学校なんですけど、ここはね、学校がホント国境のすぐ側なんです、さっきのコバニって町のすぐ側なんですけど、ここにいると爆撃やら迫撃砲の爆破の音や自動小銃の音がホント昼夜問わず聞こえてきますね、だから子供達が精神的に参っちゃってるらしくて、夜中に突然起きて泣いたり、突然変な事を言い出したり、っていうお母さんは心配してました。
一旦区切り。
これで大体トークショーの内容の3分の1くらいになります。
書いてて辛くなったね。
写真がないからわかりにくいかとは思いますが
シリアの子供のショッキングな写真がニュースであったから、タイミング的にも。
この後は難民の受け入れるか、受け入れないか、日本の場合等、話が続きます。
需要があれば続きはまた書こうと思います。